さみしい

最近、私の恋人をテレビで見ない日はない。 

この部屋で顔を合わせる時間よりも、テレビで見る時間の方が長いかもしれない。

どんどん遠くに行ってしまうように感じる。

 

今夜もまだ帰らない。

 

さみしい。

 

負担になりそうだから独り言として吐き出す。

 

 

真夜中の3時頃にドアが開く音が聞こえた。

定位置にカバンとメガネを置く音。

手洗いが終わったら、いつもまず寝室を覗いてくる。

私が寝ているのを確認してからシャワーを浴びる。いつもは。

 

 

でも今夜は寂しさが募り、思わず彼の手を取ってしまった。

 

 

「あれ?起こしちゃった?」

 

 

それには答えずに彼に抱きついてしまった。とにかく恋しくて。

 

 

「なーに、寝ぼけてるの?」

 

 

そんなわけないじゃない!私は寂しくて寂しくて仕方なかったの!

と思って顔を上げたら、彼は私に深いキスをくれた。

 

 

あぁ、体が溶けてゆく・・・

 

 

「シャワーまだだけど、抱いていい?ガマンできねーわ」