充電

「少しだけど空き時間できたから一旦帰宅するよー」

 

 

珍しく昼間に彼からLINEが入る。

仕事が忙しい彼の帰宅は毎日日付が変わってからだけど、

少しでも時間ができると、私のために使ってくれる。

私としては少しでも体を休めて欲しいと思っているけど、

彼のその気持ちは素直に嬉しい。

 

 

 

間もなく彼が帰ってきた。

「疲れたぁ~ちょっと充電!」

 

 

 

そう言いながら私を抱きしめる。

「あんまり時間ないんだけど・・・最近できてないから・・・したい」

 

 

 

この流れの予感はあったけど、実際言われるとドキドキしてしまう。

彼は私の手をとってベッドに向かう。

 

 

 

 

「んー、やっぱりひざ枕だけにしとこうかな」

え?と思わず聞き返してしまう。

 

 

 

「体目当てだと思われたくないしね、なんて。ちょっと顔を見に帰っただけだから。30分経ったら起こしてね。」

そういって彼はスーッと眠ってしまった。

 

 

 

 

「そんなこと思ってないよ・・・」

彼のフワフワな前髪を撫でながらそう呟く。

こうして会えるだけで私は十分幸せなんだよ。

 

 

 

 

30分後に彼を起こしてからコーヒーを一緒に飲む。

今日の仕事のこと、これからの仕事のことなんかを話してくれる。

好きな仕事の話をしている彼はとても楽しそうでキラキラしている。

こういう何気ない時間はあっという間に過ぎてしまう。 

 

 

 

 

「充電完了~!さぁ、また仕事に行きますかぁ。今夜も遅くなりそうだけど、もし早く帰れたらイチャイチャしようね」

ふわっと甘いキスをしてから、彼は再び出掛けていった。